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6−2. 調査結果

調査対象海岸施設の最寄りの公共交通機関である、軌道(電車)駅の改札を出たところから駅の外までの整備状況を図6−1−3に示す。マリーナ、海水浴場ともに、「レベル差がある駅」は5駅(マリーナ38.5%、海水浴場16.1%)であり、「トイレ」が設置されている駅は、ともに約70%、「視覚障害者誘導ブロック」が設置されている駅は、ともに60%強であった。また、「周辺の案内地図等」はほぼ全ての駅に設置されていた。
改札の外のレベル差への配慮状況は、図6−1−4に示すように「階段」を設置することが主な方法である。「スロープ」「エレベーター」「エスカレーター」が設置されている駅はほとんどなく、階段を利用することが困難な移動障害者への配慮はあまり考えられていないことが分かる。
スロープが設置されている駅はマリーナの2駅(40.0%)のみであり、スロープの配慮状況は2駅とも「勾配が1/12以下」であった。しかし、「有効幅員は135?以上」であるが手すりが低かったり、「高さ80〜85?の手すり」が設置されていても有効幅員が少し狭いなどトータルに整備されていない。
エレベーターが設置されている駅は、マリーナ、海水浴場ともに1駅(20.0%)であり、エレベーターの配慮状況は2駅とも「扉の有効幅員が80cm以上」である。しかし、移動障害者への配慮として「車椅子用操作盤」「出入口前の押しボタン側に点状床材」「視覚障害者へ配慮した操作盤・階表示」が整備されているエレベーターは海水浴場の1駅である。また、2駅とも「階知らせチャイム等」は設置されていない。
エスカレーターが設置されている駅は、マリーナ、海水浴場ともに1駅(20.0%)である。エスカレーターの配慮状況は2駅とも「有効幅員が80cm以上」であるが、車椅子での利用は不可能であり、車椅子使用者に対する配慮がなされていないことが分かる。
階段の配慮状況は図6−1−5に示すように、マリーナの1駅を除いた全駅で「踏み面が30?以上」である。「蹴上げが16cm以下」「高さが80〜85cmの手すりの設置」ではマリーナ3駅(60.0%)、海水浴場2駅(40.0%)と、ともに約半数の数値を示しているが、踏み面、蹴上げ、手すりの全てを満たしている駅は、マリーナが2駅、海水浴場が1駅のみである、また、視覚障害者のために「降り口に注意喚起床材」が敷設されている駅は、マリーナが4駅(80.0%)、海水浴場が2駅(40.0%)であり、「障害者用リフト」が設置されている駅はなかった。

 

 

 

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